コラム

COLUMN

2021.11.27

アフリカ工房

私たちのこれまでの歩みと大事にしたいこと

はじめまして。アフリカ工房代表前田眞澄です。ガーナで出会った夫前田大蔵と共にアフリカ工房を立ち上げ、歩んできました。私が20歳の時に初めて飛び出した海外がガーナでした。ガーナ大学にて現地の学生たちと共に4年間、音楽と宗教学(イスラム教)を学びました。よく聞かれる質問が、「なんでガーナ大学に留学したんですか?」なぜだろう。多分理由はいろいろあるけれどきっと直感に従っただけ。

高校生の時、写真家 板垣真理子さんの作品をみて、「西アフリカに行ってみたい!」と思いました。当時はアフリカ留学の情報なんて皆無です。日本で出会ったガーナ人に、ガーナ大学の入学要綱を手渡されました。記載のあった住所に手紙を書いたら、当時ガーナ大学で学んでいた唯一の日本人の方から連絡を頂き、入学をサポートして頂きました。今思えばハチャメチャな行動力ですけど。

いろいろと不思議なご縁があり、その後ガーナ大学、青年海外協力隊と20代、貴重な青春時代の計6年をガーナという国で過ごしました。ちょっと話はさかのぼります。私、小学生の頃からちょっと変わった子でした。「人はなんのために生まれてきたの?」「特に、悲惨な事件や事故で亡くなった人や生まれてすぐになくなってしまう赤ちゃんの生まれてきた意味は何?」などという壮大な疑問を心に持っていた私は、「塩狩峠」などの作品を描いたクリスチャンの小説家 故三浦綾子さんにお手紙を書いたことがありました。

当時すでに難病により体調を崩されていた綾子さんに代わって、夫の光世さんの代筆にてご丁寧にお返事を頂きました。そこには正直に「私にもわかりません。ただ、神様の大きな計画は人間のはかり知ることはできないのも事実です」という内容のお返事が書いてありました。「あんなに深い内容の本を書かれる大人でもわからないことがあるんだと」なぜかほっとしたことを覚えています。と、同時に当時小学生の子供の疑問にも真剣に向き合ってくれる大人がいたことがとても嬉しかったです。

そんな小難しい小学生も20歳になり、縁あってガーナという土地で暮らす中で、なぜか自分の魂がほっとするのを感じました。というのも、アフリカでは目に見えない世界の話が普通に、当たり前のように通じるからでした。最近、知ったのですがこの部分は、夫も同じだったそう。当時、ガーナにいた時はそんな事を思っていたなんて全く知りませんでした。日本では神様や魂の話をすると、ちょっと変な人と思われてしまいますが、ガーナの人達にはごく当然であり、自然に暮らしの中にある感じでした。実際に、不思議な体験や奇跡のような体験もよくありました。それはある意味、生と死がとても身近なものだからなのかもしれません。

5感を使い自分の感情に素直に生きるガーナの人達は、生命力にあふれています。ガーナでは路上で喧嘩していると思ったら、ただの白熱した議論だったりすることも。彼らの生き方に触れた時、今までいろいろな物事を頭(知識)で理解しようとしていた自分に気が付きました。たとえ、学校に行ったことのない村の女性でも路上のもの売りの子供でも、人間として大事なことを魂で分かっているんですよね。

アフリカの人達から学んだことは、

・5感を使って感情の伴う人生を楽しむこと

・自分の直感に従うこと

・自然と共に生きること

シアバターづくりをお願いしているズオ村の人達とは、出会って20年。お仕事にしてからは10年以上。これまでにいろいろなことがありました。正直、信頼関係が崩れかけて、ガーナに行ったときに思いっきり喧嘩して、泣いてしまったこともありました。それでも、本音をぶつけ合い、行動してきたからこそ築けた信頼関係。彼らから学んだ自然と共に生きる生き方、大地と繋がり、宇宙と繋がる生き方が40代になり最近、ようやくわかりかけてきた気がします。

「本当に大切なことは目に見えないんだよ」と星の王子様はいいました。もちろん、フェアトレード、ナチュラルコスメということで共感頂けるのもとっても嬉しいです。ただ、私たちはそこを超えた「目に見えない大切なもの」を目に見える、5感で感じる商品やワークショップイベントなどを通じて皆さんにお伝えしていけたらなと思っています。

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